イボ

 
イボとは、表面に小さな突起を多数伴う(いわゆるイボ状)出来物のことを指します。大きく2つのものを指しています。
 
一つは「尋常性疣贅」といって、ヒト乳頭腫(にゅうとうしゅ)ウイルスというウイルスが皮膚に感染してできる、ウイルス性疾患です。
イボは、よくウオノメと間違われますが、ウオノメは、角質が圧迫などの外界刺激を繰り返し受けると、角質が厚く芯のようになり、真皮に向かってくさび状に食い込んでしまう状態です。ウオノメとイボは表面を削ることにより区別できます。表面を削って出血が見られるのがイボです。ウオノメは削っても出血しません。
 
もう一つは「老人性疣贅」といっていわゆる「年寄りイボ」です。ある程度の年齢に達すると、ほぼ100%の日本人に生じると言われております。
しかしイボ状の腫瘍は他にもいくつかあり、中には「ボーエン病」「日光角化症」といった「早期がん」の可能性もあるため、注意が必要です。老人性疣贅と早期がんは、熟練を積んだ皮膚科医であればダーマスコピーを用いた検査によって区別をすることが可能です。
 

綿球式によるイボ治療
 

スプレ式液体窒素冷凍凝固療法によるイボ治療

イボの手術治療

 
イボ液体窒素で冷凍凝固治療するのが基本ですが、反応が悪い場合もあります。また人によっては冷凍凝固による痛みに耐えられない場合もあります。
 当院では難治性のイボに対しては、局所麻酔下での手術による切除治療を行っております。 
 

イボの手術治療例の紹介


 左手中指の先端のイボの方ですが、他院で液体窒素冷凍凝固による治療をずっと受けておりましたがなかなか治らない状態でした。また冷凍凝固治療による痛みが耐えられないとのことでした。 ご本人と相談の上、手術療法を行うことにしました。
 

局麻下にイボを切除しました。
止血はバイポーラ凝固装置でしっかり行っておりますのでほとんどありません。指先は皮膚の伸びが無いため、縫うことができません。このまま縫わずにキズを塗り薬でなおします。
 

2週後の状態です。キズはかさぶた状になり、ほぼふさがっております。イボの再発はなく、治癒しております。
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